U+FE0Eがなぜ入り込む?

昨日の文字化けの話、→ではなくて、 これだった。 原稿はWordの「.doc」で、原稿の状態では折り返しの箇所でもないところになぜか入っている。

文字化け怖いです

新居のほうが連載中なので、こちらでさっき発生した文字化けの話を。編集からデザイナーに直接テキストが渡った追加原稿。 「掲載した商品は上記店舗で扱っていない場合があります。」の「上」が抜けている。 InDesign上で一字足した途端に文字化け発生。わ…

弘道軒清朝の「麺」

昨夜の懇親会に出た「豚キムチラーメン鍋」(割り入れた即席麺が大胆でワラタ)にちなんで、麵の字を。 常用漢字に入って「麺」(簡易慣用字体)が常用漢字字体となったので、「麵」は旧字ということになった。 弘道軒清朝では「麥繞」ではなく「麥偏」で作…

弘道軒清朝の「亀」と「龜」はこちらに

新居のほうで昨日と今日、亀と龜について書いたので、弘道軒のも貼っておく。 亀はまあ、こんなもの。龜のほうは、「メ」が「※」になっている。 イワタの復刻版フォントも同じ。

簒の字の話で盛り上がったので

弘道軒清朝はどうかなと探してみたが、四号にはどちらもなかった。 代わりに正楷書の18ポイント。

湯島天神で甲骨・金文と簡体字のことなどを思い巡らす

先週、湯島天神へ梅を見に出かけた。 大鳥居の額を見ると、楽しい字なので撮影した。もちろん「天満宮」と書いてあるわけなのだが、字体に拘ってみると「天𫉗宫」となる。 「𫉗」(U+2B257)なんて字は見たこともない。Unicodeの拡張Cに入っているが、典拠が…

「姫」の旧字はやっぱりJISにも入れたいという話

「姫」の旧字体は「姬」(U+59EC)。 当用漢字表ではその字体だったが、当用漢字字体表で変更された。また、常用漢字表では康熙字典体と大きな差がないとして括弧をつけて示すこともしなかった(理由は画数が同じだから。どうやったらこの二つを同じ画数で書…

簡単なのにひどく面倒な「者」という字について

正月明けからもう3週間、どうにも更新ができなかったのは、「者」が難しすぎたため。 小学校3年で習うこの字が、なぜにそんなに難しいのか。意味は皆さんよくご存知の筈。 音は「シャ」、訓は「もの」。どちらにしても言葉の後ろについて、「(〇〇のよう…

徳さんはどっち

箱根駅伝を自宅近くで観戦しながら一人実況中継をする徳光和夫さんが、正月明け日曜の楽しみだったのだが、今年はそのコーナーもなくなったようだ。 で、「徳」の字。 当用漢字表の官報で使われた活字では「」(U+5FB7)だったが、当用漢字字体表で「徳」(…

文字は異なもの

新装第一弾は異体字の「異」。お決まりの弘道軒清朝四号は、常用漢字と変わらない。 しかし明治の弘道軒清朝は違う。東京日日新聞と小説神髄、どちらも五号だが、「共」が分割され「田」が「甲」になった形だ。江守賢治『解説字体辞典』によれば、康熙字典体…

麋角解

「角」(89D2)のGB字形は中央の縦画が突き抜ける形。AdobeJapan1のCID=13682である。岩田母型製造所に残された弘道軒清朝四号の活字は「抜けない」形になっているが、坪内逍遥『小説神髄』を見ると、元々の清朝では「抜ける」形になっていたことがわかる。U…

乃東生

ひらがなの「の」の字母「乃」、ごく単純な字の筈だが、結構厄介だ。字源としては弓の弦が伸びて緩んだ象形だという。 説文解字の「乃」は一画で、「𠄎」(U+2010E)のような形、あるいは「弓」に近い形の「𢎗」(U+22397)、または「𢎧」(U+223A7)となる…

鱖魚群

このところ、互換漢字増補や統合漢字拡張Bなど、面倒な異体字ばかり挙げてきたが、今回は「羣」。JIS第2水準だから化ける心配はない。 康熙字典では「羣」が正字、「群」は俗字とはっきりしているのだが、常用漢字表の括弧内の漢字(いわゆる康熙字典体)に…

熊蟄穴

康熙字典では「火部」にあり、「熊」の古文として「𪏛」(U+2A3DB)を掲げ、次項に「熋」(U+718B)を俗字として載せている。 Unicode Ext.Aには、「熊」の書写体を俗字として扱う「㷱」(U+3DF1)が収録されている(「去」にするのは大いに問題があるが)。…

閉塞成冬

「成」の康熙字典体は「成」(U+2F8B2)、微妙な違いだが、一画多い。「丁」が二画に数えられるからだが、楷書でも普通は鉤の手に折れて一画で書く。 開成石経では分けて書いているようだが、そんな面倒なことは普通しない。 異体字としては「丁」の代わりに…

橘始黄

十数年前、ある団体の名簿を作っていて、橘の旁「矞」(U+77DE)で「いち」と読む名前があった。第4水準の漢字で、当時は作字するしかなく面倒だった。

朔風拂葉

「拂」は当用漢字表ではこの形だが、当用漢字字体表で「払」の形となった。 すでに大正8年の漢字整理案でも「許容体案」に出てきてはいる「払」だが、一般に用いられた様子は見えない。もっとも手書きでは使われたかもしれない。弘道軒清朝四号に「払」があ…

虹藏不見

弘道軒清朝四号の中に、「藏」と「蔵」の両方があるのが解せない。「藏」も決して康熙字典体ではない。見比べればこの二つの字体を同じ人間が書き分けたのではないことは瞭然だろう。「蔵」は明らかに昭和二十年代以降に書かれたものである。

金盞香

「香」という字を漢和辞典で見つけようとすると、かなり大変な思いをする。部首は禾でも日でも曰でもない。驚いたことに「香」という部首がある。部首字なら象形なのかというと、そういうわけでもない。小篆は右のようになっていて、「黍+甘」なのだという。…

地始凍

「凍」の異体字といっても簡体字の「冻」くらいしかないかなと思ったら、大熊さんが面白いことを書いていた。 http://tonan.seesaa.net/article/232965513.html「涷」(U+6DB7)は川の名前、また俄雨、豪雨の意味で、「こおる」とは関係ないが、古来混同され…

山茶始開

「茶」の字は説文になく、字源はよくわからない。 字書では「荼」から分かれたものだという。また「𣗪」(U+235EA)とか「𣘻」(U+2363B)という異体字もある。ふと、思い出したのが大熊さんのブログ。「保」は「ホ」でないといけない、康熙字典以来間違って…

霎時施

「時」の異体字でUnicodeにあるのは、まず簡体字の「时」(U+65F6)、古文の「旹」(U+65F9)。ほかに「㫑」(U+3AD1)、「𣅱」(U+23171)がある。台湾のサイトでは、下のように様々な異体字を掲げている。簡体字の「时」も古くから書かれ、亡父も日記では…

霜始降

近頃の中台漢字サイトの充実ぶりは凄まじい。 http://www.zdic.net/ とか http://chardb.iis.sinica.edu.tw/ などを参看すれば、大抵の字書より多くの情報が得られるくらいである。 後者からリンクして、 http://dict.variants.moe.edu.tw/ を見ると、「霜」…

蟋蟀在戸

「戶」「户」「戸」と3つもUnicodeにあるのは、台湾のTCA-CNS 11643-1992が元々持っていた繁体字の「戶」のほかに、簡体字の「户」と楷書体の「戸」を符号化していたためで、日本のJIS X 0213はこの3つの字体を包摂しているが、IVSを振ることはできず、JIS…

IVS飲み

いつものテーマから外れるが、昨夜の写真(ピンぼけ、手ぶれご容赦ください)を。 @akatsuki_pocketさんと@ragged_rightさん @akane_nekoさんと@KAN0Uさん @ragged_rightさん、@bunzo78さん、@moji_memoさん、@ogwataさん、@kawabataさん、@monokanoさん @og…

菊花開

「菊」には訓読みがない。強いて言えば、「よもぎ」とか「さきな」なのだろうが、万葉集に菊を詠んだ歌がないというから、日本になかった花なので言葉もないわけだ。 それが国家を代表するような花として、現在はある。艸冠を無理に四画にした明朝体は美しく…

追記

梯子高(郄)が化けてしまった。

鴻雁來

「来」の旧字は「來」で、活字が「来」になったのは『当用漢字字体表』以後。100字の略字を当用漢字表に先駆けて用いた朝日新聞でも「来」は使っていない。と云うのは明朝体の話で、手書き文字の場合、隷書以降は基本的に「来」を書いてきた。 http://www.jo…

水始涸

さすがに「水」などという基本の基本のような字には異体も何もないというところだが、草書の中には結構難しいのもある。 それ以上の謎は漢代にあって、どのようにして「サンズイ」が生まれたかというのが最大の謎だ。 子供の頃、野末陳平の『姓名判断』とい…

本能寺ほんのうじ

昨夜twitterに書いたことだが、「能」の書写体を無理に明朝体に作って符号化するなど無用だと言った時(www.itscj.ipsj.or.jp/domestic/mojicode/houkoku922.pdf)、すでにExt. Aにそれが入っていた。 「䏻」(U+43FB)は、康熙字典にも諸橋大漢和辞典にもな…