2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

麋角解

「角」(89D2)のGB字形は中央の縦画が突き抜ける形。AdobeJapan1のCID=13682である。岩田母型製造所に残された弘道軒清朝四号の活字は「抜けない」形になっているが、坪内逍遥『小説神髄』を見ると、元々の清朝では「抜ける」形になっていたことがわかる。U…

乃東生

ひらがなの「の」の字母「乃」、ごく単純な字の筈だが、結構厄介だ。字源としては弓の弦が伸びて緩んだ象形だという。 説文解字の「乃」は一画で、「𠄎」(U+2010E)のような形、あるいは「弓」に近い形の「𢎗」(U+22397)、または「𢎧」(U+223A7)となる…

鱖魚群

このところ、互換漢字増補や統合漢字拡張Bなど、面倒な異体字ばかり挙げてきたが、今回は「羣」。JIS第2水準だから化ける心配はない。 康熙字典では「羣」が正字、「群」は俗字とはっきりしているのだが、常用漢字表の括弧内の漢字(いわゆる康熙字典体)に…

熊蟄穴

康熙字典では「火部」にあり、「熊」の古文として「𪏛」(U+2A3DB)を掲げ、次項に「熋」(U+718B)を俗字として載せている。 Unicode Ext.Aには、「熊」の書写体を俗字として扱う「㷱」(U+3DF1)が収録されている(「去」にするのは大いに問題があるが)。…

閉塞成冬

「成」の康熙字典体は「成」(U+2F8B2)、微妙な違いだが、一画多い。「丁」が二画に数えられるからだが、楷書でも普通は鉤の手に折れて一画で書く。 開成石経では分けて書いているようだが、そんな面倒なことは普通しない。 異体字としては「丁」の代わりに…

橘始黄

十数年前、ある団体の名簿を作っていて、橘の旁「矞」(U+77DE)で「いち」と読む名前があった。第4水準の漢字で、当時は作字するしかなく面倒だった。