麋角解
「角」(89D2)のGB字形は中央の縦画が突き抜ける形。AdobeJapan1のCID=13682である。岩田母型製造所に残された弘道軒清朝四号の活字は「抜けない」形になっているが、坪内逍遥『小説神髄』を見ると、元々の清朝では「抜ける」形になっていたことがわかる。
Unicodeでは抜ける角と抜けない角は統合されていて、区別しない。逆に言うと区別する方がおかしいわけで、HNGを見ても、古来この字は抜ける形で書かれてきている。抜けない形を規範とするのは説文に拘った「正字」(康熙字典体)くらいなものだろう。
某TV局のアナウンサーが「抜ける角」に拘るらしく、テロップがいつもそうなっている。
故田中角榮元首相の「角」も(戸籍がごく普通に手書きされたものだからだろう)「抜ける角」で、わざわざそう表記した例を見たことがある。
この回で今年の更新は終了。七十二候から一字ずつ取り上げるのも、これで一区切りにして、来年は別のことを考える。


