2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

片塩氏の「論文」は「幻想小説」だった!

『タイポグラフィ学会誌04』所収 片塩二朗「弘道軒清朝活字の製造法とその盛衰」の冒頭に、若き日の片塩氏が猪塚良太郎氏の仕事場を訪ね、清朝活字について教えられるという挿話がある。「25年前に廃業」とあるし、素直に読めば、1970年頃の思い出話と読める…

T楷書

まだやってたのね、GT書体。知らぬ間に三書体とは。 楷書があると聞いては無視できないのでダウンロードしてみた。なんか教科書体っぽいかな。どこで使うのかいな。

神崎正誼の崎の字

片塩論文72ページで、〈「神崎正誼の死亡公告」〉というところと、74ページの〈「神崎」は「神崎」と〉(二カ所)というところだけ、「粼」U+FA11をわざわざ使っている。 弘道軒清朝で印刷された「崎」を明朝体で再現しているのだが、こんなことが必要でない…

『憂世の涕涙』再現実験

片塩論文で、再現実験をしている『憂世の涕涙』を、追試してみよう。こちらはオリジナルを持っていないので、いつものやつを利用する。そして、同じページをPDFダウンロードしてみる。これを100%でInDesignに配置してみると、非常に小さい。Acrobatで計測し…

『活版術』(韓国政府印刷局)

隆熙3年(1909=明治42)に出版された『活版術』については、小宮山博史「明朝体、日本への伝播と改刻」(『本と活字の歴史事典』柏書房、2000年所収)で紹介されている。 印刷図書館で、現物を見てきた。隆熙3年とは日本による韓国併合の前年であるが、この…

再び東京日日新聞の楷書活字

昨年6月に書いた記事に補足したい。 東京日日新聞の本文にサイズの異なる二つの楷書活字が用いられていることは先に書いた。 仮に一方を本文大、他方を本文小とすると、本文大は弘道軒清朝、本文小は築地活版の楷書活字である。ところが、片塩論文では104ペ…

片塩二朗氏の「弘道軒清朝活字の製造法とその盛衰」について

『タイポグラフィ学会誌04』所収 片塩二朗「弘道軒清朝活字の製造法とその盛衰」は、 弘道軒清朝に興味を持つものには必読の論文である。20日には、論文発表会も開かれるので、その前に予習をしておこう。http://www.society-typography.jp/news/10章(A4判1…