金盞香



「香」という字を漢和辞典で見つけようとすると、かなり大変な思いをする。部首は禾でも日でも曰でもない。驚いたことに「香」という部首がある。部首字なら象形なのかというと、そういうわけでもない。

小篆は右のようになっていて、

「黍+甘」なのだという。つまり正字は「𪏽」(U+2A3FD)。

白川説だと「黍+曰」なのだが、ともかく今の字形は省略されたものらしい。甲骨・金文を参照できないので、ふーんと言って諦める。
別に面倒な字ではないのに『宋元以来俗字譜』ではさらに省略された字体が載っている。

草書なのだろうが、ここまでくるとUnicodeにも入らないだろうなぁ。